この報告書は7章からなっている。第2章では、日本が表明・実施したアジア通貨危機支援策の全体像を概観する。また、現地調査を行った3国(インドネシア、タイ、フィリピン)にとって重要な援助機関である世界銀行・アジア開発銀行と日本の協力関係についても述べる。第3章では、3国のアジア通貨危機発生前から2000年までの主要な経済指標を分析し、アジア通貨危機が各国経済に及ぼした影響を明らかにする。第4章・第5章・第6章では3国におけるアジア通貨危機支援策を、1. 支援スキームの組み合わせ、2. 世界銀行・アジア開発銀行との役割分担、3. 事業の国別援助計画・方針における位置付け、4. 相手国政府関係者の意見、の4つの視点から分析した。また、政策に基づいて実施された個別の事業を選び、その進捗と効果をまとめるとともに、具体的に事業がどのような形で人々の手に届き、どのように評価されているかをコラム記事で紹介している。
第7章では、第4章から第6章の分析に基づいてアジア支援策を評価し、今後の援助に生かすことができる点を明らかにする。
なおこの報告書は株式会社パシフィックコンサルタンツインターナショナルの責任において作成されたものであり、必ずしも日本国政府および外務省の見解や立場を反映したものではないことを付記する。